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認知症を深く知りたい人におすすめの本13選!親の認知症から予防法まで!

2022年8月30日

身近な人が認知症になったときに読みたい本まとめ

日本では高齢者の6人に1人、2020年時点で約600万人が認知症を発症しており、2025年には700万人に達すると考えられています。(「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」)

今後の超高齢化社会を生きる私たちは、認知症の症状や接し方・本人のメンタリティーなどについて、多くのことを知っておかなければなりません。

小助
ここではグループホームに勤務経験のある僕が、認知症への理解を深めたり、接し方や声かけ・家族としての対応を学べる本を13冊紹介します。

認知症を深く知りたい人におすすめの本13選

1.『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』

認知症の人を理解するには、相手の目線に立つことが大切だということがよく分かる一冊。

右ページには家族やケアをする人視点での出来事(問題行動)が、左ページには認知症の人視点での同じ出来事がマンガで描かれていて、認知症の人の気持ちが分かりやすくなっています。

認知症について、簡単に理解を深めたい人におすすめの一冊です。

2.『なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか: 脳科学でわかる、ご本人の思いと接し方』

認知症の母を持つ脳科学者・恩蔵絢子さんと、 ソーシャルワーカー・永島徹の共著。

「なぜ食事したことを忘れるのか」「なぜ1人で外出して帰れなくなるのか」といった34の具体的な事例を、実体験とエビデンスをもとに説明してくれます。

ソーシャルワーカーによるサポート方法も教えてくれるので、具体的なケアや家族の対応が知りたい人におすすめです。

3.『「認知症の人」への接し方のきほん』

認知症の人への接し方や、シチュエーションごとの対応が分かる本。

家族だけでは対応しきれなくなった場合のために、ケアマネージャーやソーシャルワーカーの役割や頼り方まで書かれている点がポイントです。

見やすいレイアウトがグッド。

これから認知症の人と関わっていく家庭に一冊置いておきたくなるような、網羅的な内容になっています。

4.『認知症世界の歩き方』

認知症の人が見ている世界を、比喩的な世界に置き換えてイラストで描いた本。

「顔無し族の村」や「カイケイの壁」などの比喩の世界で、認知症の人の視点を知識として得るだけでなく、不安や苦痛までも理解できる内容です。

豊富なイラストで、認知症について自分ごとのようによく分かる一冊。

評価も非常に高く、認知症の人の見方やメンタリティーを理解したい人は必見です。

5.『ボケ日和ーわが家に認知症がやって来た!』

認知症の経過を、時系列で知ることができる本。

「認知症予備軍→軽度(初期)→中等度(中期)→重症(末期)」までの過程や起こりうる問題が書かれていて、認知症の人との関わりが見通せる内容になっています。

これから起こり得ることを理解しておくことで、認知症と上手に付き合うことができます。

MCI(軽度認知障害)と診断された人や、認知症のケアをする人で、想像がつかない未来への不安を解消したい方におすすめです。

6.『ボクはやっと認知症のことがわかった』

認知症の診断に使われる「長谷川式スケール」を考案した、認知症の権威である長谷川和夫氏が、自らも認知症となって分かったことをまとめた本。

認知症専門医である彼が、医師視点では見落としていたことや気づき、また認知症について現代医学が分かっていることなどを、分かりやすい文章で伝えてくれます。

エッセイ風で読みやすいので、認知症の人が周りにいなくても、認知症について知りたい人におすすめの一冊です。

7.『父と娘の認知症日記』

長谷川和夫氏の娘である南髙まりさんが、父の日記と写真をもとに、父の半生と周囲の認知症ケアを娘の視点から綴ったフォトダイアリーです。

家族のサポートや理解の大切さがよく分かる、心温まる内容になっています。長谷川和夫さんのこともよく分かる一冊です。

長谷川和夫氏のこともっと知りたい人や、家族によるサポートの様子を参考にしたい人におすすめです。

8.『母が若年性アルツハイマーになりました』

母親が若年性アルツハイマーとなった著者による、約20年間の介護記録。

母がアルツハイマーと診断された57歳の時点から、75歳でお別れするまでに起こった出来事や体験が、時系列の漫画で描かれます。

テクニック的な知識本ではなく、アルツハイマーの母親と向きあう著者のリアルな心情や、実際の暮らしが伝わってくる一冊です。

9.『認知症の私から見える社会』

39歳でアルツハイマーと診断された著者による体験記。

当人にしか分からない気持ちや問題が正直に書かれていて、読んだこちらの心に直接響いてきます。また、著者以外の体験談もまとめられており、認知症と診断された人の気持ちがよく分かる内容です。

ある程度の認知症知識が必要ですが、身近に認知症の人がいて、本人がどのように感じているのか知りたい人におすすめの一冊です。

10.『科学的に正しい認知症予防講義』

認知症の予防法を、エビデンスに基づいて教えてくれる本。

現代医学では治療不可能な認知症を「できるだけ発症させないことが重要である」と説く本書は、認知症の発症を抑える可能性が高い方法を分かりやすく教えてくれます。

リスク因子のチェックから具体的な予防法まで、認知症にならないためにできることを知ることができます。

軽度認知障害(MIC)なら回復は可能なので、物忘れが多くなってきた人や、認知症一歩手前と診断された人にも参考になる一冊です。

11.『認知症が進まない話し方があった』

高齢者病棟で30年間働いてきた医師である著者が、「話し方」の重要性を説いた本。

話し方ひとつで認知症の進行を左右することや、シチュエーションに応じた50の声かけ言葉集など、かなり実用的な内容になっています。

具体的な声かけ例が嬉しいポイント。

認知症の人とどのように話せば分からない人や、現場の看護師・介護士さんにもおすすめの一冊です。

12.『認知症の人を元気にする言葉かけ・不安にさせる言葉かけ』

認知症の人への言葉かけのOK・NG例がまとめられた本です。

分かりやすいイラストや豊富な具体例が交えられているので、認知症の人に寄り添った言葉かけを、易しく理解することができます。

認知症の人にどのような言葉かけをするのが正解なの?と思う人に、指針を与えてくれる一冊です。

13.『認知症 ありのままを認め、そのこころを知る』

アルツハイマー研究に造詣の深い医師が、認知症を含めた家族・社会のカタチを説いた本。

認知症の人をありのままに受け入れる心もちや、認知症と共に歩む人生観の提示には、思わずハッとさせられるものがあります。

どのように認知症と向き合えば良いか悩んでいる家族の方はもちろん、認知症に関わりのない人にも読んでほしい本です。

以上、認知症について深く知りたい人におすすめの本13冊でした。

認知症の人にとって、周囲の人や家族の理解は非常に大切です。

本を読んで認知症の症状や経過を知ったり、当事者の気持ちを理解して、お互いの人生を少しでも豊かにするための参考にしてみてください。