『十二国記』の麒麟の寿命は?
『十二国記』には、王に仕える麒麟が登場します。
この記事では、そんな彼らの寿命や生まれ方、死に方までを解説します。
麒麟の寿命は3パターン
麒麟の寿命には3パターンがあります。
- 王が見つかった場合:王が道を踏み外したとき
- 王が見つからなかった場合:30年前後
- 蓬莱(日本)に流された麒麟の場合:10年前後
この3つです。
1.王が道を踏み外したとき
麒麟は王が道を踏み外すと死んでしまいます。
作中ではこれを「失道(しつどう)」と言います。
王が失道すると、まず麒麟が死に、麒麟が死んでから半年〜一年ほどが経つと、王が死にます。
逆に言えば、王さえちゃんとしていれば、麒麟は死にません。
実際、延国の麒麟である六太は500年以上も生きています。
きちんとした王かどうかは事前に分からないので、麒麟としても寿命は運次第ということになります。
2.30年前後(王を見つけられなかった場合)
麒麟は、次の王を探すために生まれてきます。
ただ、麒麟が王を見つけられないまま死ぬことは滅多にありません。
作中では、世界が出来てから八度、そのときは国がひどく荒廃したとあります。
王を探し出すことのできないまま三十余年の天寿尽きて斃れてしまったのである。開闢以来、八度目の大凶事であった。
『東の海神 西の滄海』新潮社,p24
寿命は何年かということであれば、この30年が一番正しい答えでしょう。
3.10年前後(蓬莱で生まれた場合)
蓬莱で生まれた麒麟の場合、その寿命は10年前後です。
王のいない麒麟の寿命は三十年前後と短い。蓬莱に流された麒麟のそれはさらにその三分の一程度らしかった。
『風の万里 黎明の空(下)』新潮社,p63
これは、十二国の世界と日本の関係を知っていないと、よく分からないかもしれません。
麒麟は黄海にある木に成り、そこから生まれます。これが麒麟の生まれ方です。
流された麒麟は妊婦の身体に宿り、人の形で生まれてきます。
王に仕える麒麟の例外パターン
王に仕えている麒麟でも、失道で死なない例外があります。
それは、王が自ら王位を退いた場合です。
退位した王は亡くなりますが、麒麟はそのまま命を繋ぐことができます。
景麒は『十二国記』でも人気のキャラクターで、このあたりのことは第1巻である『月の影 影の海』で描かれています。
麒麟が死ぬとき
麒麟は強い力で妖魔を従えることができますが、それはある契約によるもの。
その契約とは、麒麟が死んだら、自分の体を妖魔に食わせるという契約です。
妖魔は死んだ麒麟の体を食べて、さらに強い妖魔になるというわけです。
まさに王のための生き物という感じですが、だからこそ、王と支え合いながら生きてゆく麒麟たちの生き様が、『十二国記』の魅力にもなっていると思います。
以上、麒麟の寿命についてでした。
▽『風の海 迷宮の岸』は麒麟の物語なので、麒麟のことをもっと知りたい人はこの本が一番おすすめです。