現代日本文学

『十二国記』に似てる小説9作を紹介!中華風ファンタジーから国取り物語まで!

2022年8月20日

『十二国記』に似ている小説を知りたい!

日本ファンタジーとして人気がある『十二国記』シリーズ。

小助
異国風で少しダークな雰囲気や、個性的なキャラクターが魅力的ですよね。

この記事では、そんな『十二国記』に似ている小説を9作紹介します。

『十二国記』を読み終わって、ほかの小説を読みたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

『十二国記』に似ている小説9作

1.『彩雲国物語』:中国風の雰囲気が似ている作品①

ジャンル 巻数
中華風ファンタジー 全23巻(完結)

『彩雲国物語』は、唐代の中国を背景にした中華風ファンタジーです。

中国の地名や名前が出てくるので文章の雰囲気が似ているほか、主人公の少女(16歳)が国の官吏を目指して国政と関わっていく点も、『十二国記』の中嶋陽子と重なります。

もともとこの彩雲国は八州にわかれており、それぞれを藍州、紅州、碧州、黄州、白州、黒州、茶州、紫州という。これらの州名は昔からの呼び名だが、六百年ほど前、時の王が妙な考えを起こし、各州を治めていた豪族たちを改姓させたのだ。

雪乃紗衣『彩雲国物語』角川書店

とはいえ『十二国記』と比べるとかなりポップで、尚隆や六太のドタバタした感じや、美男が好きな方はハマります。

紀伊国屋書店の調査では、30歳以上の読者が40%を占めるという、大人の女性にも人気があるタイトルです。

2.『後宮小説』:中国風の雰囲気が似ている作品②

ジャンル 巻数
中華風ファンタジー 全1巻(完結)

同じく中華風ファンタジーの『後宮小説』。第一回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作として有名です。

妖魔や妖獣などのファンタジー要素はありませんが、中国の宮廷争いを背景に、主人公の少女が立ち回る雰囲気が『十二国記』と似ています。

中嶋陽子というよりは、『十二国記「図南の翼」』の主人公・珠晶に似ているので、珠晶ファンの人はおすすめです。

3.『デルフィニア戦記』:異世界の設定が似ている作品

ジャンル 巻数
異世界ファンタジー 全21巻(完結)

13歳の美少女が異世界に落ち、国の争いに巻き込まれていく物語。

『十二国記』に似ている小説としても、よく挙げられる作品です。

この少女は『違う世界』から来たのだという。つい先頃まで男の体だったのだという。
どこまで本気にとっていいものか計りかねたが、男はそれ以上、深く考えないことにした。

芽田砂胡『デルフィニア戦記』中央公論新社

かなりの長編ですが、コミカルさもある主人公最強系ファンタジーで、どんどんページをめくってしまいます。

4.『RDG レッドデータガール』:十二国記『魔性の子』に似ている作品

ジャンル 巻数
和風ファンタジー 全6巻(完結)

15歳の少女が主人公の、和風ファンタジー小説。

十二国記の0巻『魔性の子』のように、現代日本が背景となっているファンタジーです。

「悪いものが迫っていると、本当に感じていたのよ。暗い影がたくさんあって、よどんでいて、ものすごく怖かった。相楽さんの顔を見るまで、絶対に顔をあわせてはならないと思っていたのに••••••」

荻原規子『RDG レッドデータガール』角川書店

十二国記で例えると蓬莱側の物語なので、『魔性の子』の雰囲気が好きな人にはかなりおすすめです。

5.『レッド・クイーン』:主人公の下剋上設定が似ている

ジャンル 巻数
能力系ファンタジー 全4巻(完結)

アメリカで大人気のファンタジー。『月の影 影の海』の陽子が一人で放浪していた雰囲気に似ています。

奴隷に生まれた少女が王女となり、宮殿内の争いに巻き込まれていくストーリです。(表紙のような残虐シーンはほとんどありません)

お店の人たちはなにもかもどうでもいいみたいにぼんやりとしていて、私が品物を盗んだって全く気付かない。おかげでポケットは安物のアクセサリーでパンパンだし、帰り道にかじる林檎だって手に入れた。ほんの数分の仕事にしては上出来だ。動いていく人ごみに紛れて、私も一緒に流れていく。

ヴィクトリア・エイヴヤード『レッド・クイーン』ハーパーコリンズジャパン

『十二国記』のような深みはありませんが、そのぶん軽い気持ちで読める一作です。

6.『七王国の玉座』:王国の争いが似ている作品

ジャンル 巻数
王国系ファンタジー 全5巻(全7巻予定で刊行中)

『七王国の玉座』は、王国や名家が覇権を争いあう国盗り物語です。

さまざまな国で描かれる内戦や王座をめぐる争いは、『十二国記』の反乱や内戦の様子に近いものがあります。

西洋ファンタジーなので雰囲気は違いますが、『十二国記』でも国の命運を背景にしたスケールの大きさが好きだった人におすすめの小説です。

7.『ゲド戦記』:ダークな雰囲気が似ている作品

アーシュラ・K.ル=グウィン (著)/ 清水 真砂子 (訳)
ジャンル 巻数
魔法ファンタジー 全6巻(完結)

ジブリアニメでも有名な『ゲド戦記』は、アースシーという世界を旅する冒険魔法ファンタジーです。

人間の醜さや世界の暗い部分をしっかりと描くダークな雰囲気や、各巻で主人公が変わる点も『十二国記』と似ています。

『十二国記』のダークで心に迫る重厚な雰囲気が好きな人には、ぜひ読んでほしい一作です。

8.『アルスラーン戦記』:魅力的な脇役の姿が似ている作品

ジャンル 巻数
王国系ファンタジー 全16巻(完結)

『十二国記』の構想元である『銀河英雄伝説』を書いた、田中芳樹のファンタジー作品。

国を背負う王子の成長譚である本作は、ストーリーの面白さはもちろん、脇役の男性おじさん陣も魅力的です。

『十二国記』の驍宗や利広、尚隆や桓魋といったおじさんキャラクターが好きな方には、特におすすめです。

9.『精霊の守り人』:国巡りの様子が似ている作品

ジャンル 巻数
冒険ファンタジー 全14巻(完結)

主人公が30歳の女性のため、大人の女性からも根強い人気がある「守り人」シリーズ。

精霊の守り人として様々な国をめぐり旅をする様子は、国々をまたいで物語が紡がれる『十二国記』の雰囲気とも重なります。

バルサは、この国のうまれではない。それに、けっしてわすれることのできぬある理由から、王とか帝とかいう者たちへの尊敬の念は、ほとんどもっていなかった。ただ、まるで一幅の絵のような、一瞬のうつくしさにみとれていただけだった。

上橋菜穂子『精霊の守り人』偕成社

日本ファンタジーの傑作とも言われているので、何を読もうか迷った方は、これを選べば間違いないという作品です。

作者・小野不由美さんが影響を受けた作品

『十二国記』の作者である小野不由美さんは、もともとファンタジーが不得意だったそう。

そんな彼女が影響を受けた、数少ない作品も紹介しておきます。

1.ロジャー・ゼラズニイ『アンバーの九王子』

ゼラズイニは、アメリカのSF・ファンタジー作家。

彼の作風は、ファンタジーの中にもリアリティがあり、その雰囲気は『十二国記』にも似ています。

2.C•S•ルイス『ナルニア国物語』

『十二国記』で最も人気キャラクターである楽俊。

そんな彼のモデルとなったのが、『ナルニア国物語』に出てくるネズミの族長、リーチピープです。

第一作目に登場したネズミの子孫として2作目から登場するので、楽俊が好きな人は読んでみることをおすすめします。

以上、『十二国記』に似ている小説9作品+αを紹介しました。

中華風ファンタジーから現代日本のファンタジーまで。

あなたが気になった作品をぜひ手に取ってみてください。