【読みやすさ重視】近代日本文学おすすめ小説21選【純文学】

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純文学のおすすめを教えて!

読書ブロガーの小助です。

最近よくこんな質問がきます。

  • 純文学が苦手ですが、私でも読めるような小説ってありますか?
  • 代表的な純文学を読破していきたいけど、何から手を付けると良いか分かりません。

などなど。僕も昔はそうだったので、その気持ちはよく分かります。

こうした方へおすすめしたいのは、

・とにかく読みやすくて、且つ純文学らしい内容のある本

です。

いきなり「埴谷雄高の『死霊』が面白いよ」なんて言って、分厚い上中下巻3冊セット渡されたらたまりませんよね。

ですので、ここでは「読みやすさ」を重視しつつ、長い年月の中で高い評価を得てきた純文学作品のおすすめをしていきます。

それではさっそく見ていきましょう。

日本文学おすすめ小説21選

1.『夢十夜』

夏目漱石:(集英社文庫) 文庫 – 1992/12/15

『夢十夜』は夏目漱石の短編小説として人気の高い作品です。

第一夜から第十夜まで、全部で十の夢の物語が紡がれ、ロマンチックなものから怪談まであらゆるジャンルの「夢」が描かれています。

漱石は『こころ』や『吾輩は猫である』で有名でお堅そうな文豪ですが、『夢十夜』ならそんな彼の作品をもっと気軽に楽しむことが出来るでしょう。

文豪の作品を手軽に読みたいという方におすすめの小説です。

2.『金閣寺』

三島由紀夫:単行本 – 2001/5

近代日本文学の金字塔である三島由紀夫の『金閣寺』。

文体と物語、その両方の面で高い芸術性が評価されている作品です。

実際にあった金閣寺放火事件に取材した作品で、三島由紀夫の代表作でもあります。

こういったおすすめ記事には必ずと言って良いほどタイトルの挙がる小説でもあり、それだけに広く読まれている作品です。

とにかく近代文学を読んでみたい、なんでも良いから一番のおすすめを教えて欲しい、という方などに紹介したい一冊です。

3.『雪国』

川端康成:(角川文庫) 文庫 – 2013/6/21

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

有名な冒頭から始まる川端康成の『雪国』。

この小説は、川端康成がノーベル賞を受賞した際の対象作品でもあります。

「日本人の心を優れた感性で表現したため」というノーベル賞の受賞理由からも分かるとおり、日本的な情緒の豊かな作品になっています。

世界的に定評のある作品を読んでみたいという方におすすめの小説です。

4.『高瀬舟』

森鴎外:(新潮文庫) 文庫 – 2006/6

『高瀬舟』、といっても舟の物語ではありません。

物語上のテーマは「安楽死」が許されるか否か

作者の森鴎外は、医者としてドイツ留学をしていた人物でもあるので、「死」というテーマにずっしりとした重みがあります。

しかし、そうした物語の主題だけでなく、主人公の描かれ方や物語の構成なども見どころのひとつです。

分かりやすいテーマのある小説を教えて欲しいという方におすすめです。

5.『山椒魚』

井伏鱒二:(新潮文庫) 文庫 – 1948/1/15

『山椒魚』は、身体が大きくなりすぎて、洞から出られなくなった山椒魚が主人公の物語です。

作中の登場人物は

  • 山椒魚
  • 小エビ

など、水辺に棲んでいる生き物たち。

それぞれの生き物がどのような特徴を持っていて、何を表しているのかを考えながら読むのが楽しい小説です。

短い作品なので、10分ほどで読めてしまうところも魅力的でしょう。



6.『地獄変』

芥川龍之介: (新潮文庫) 文庫 – 1968/11/19

芥川龍之介のおすすめ作品を一つ挙げるのは難しいですが、ここでは『地獄変』を紹介します。

『地獄変』は芸術がテーマの作品で、その内容から、芥川を芸術至上主義と呼ばせた作品でもあります。

『羅生門』や『杜子春』などが彼の代表作ですが、それらは初期の作品であり、中期~後期の芥川は内面を描いた鬼気迫る小説を発表していきます。

この『地獄変』も中期の作品で、芥川の傑作と名高い小説です。

文学の「濃さ」を求めてる方におすすめの作品です。

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7.『檸檬』

梶井基次郎:(角川文庫) 文庫 – 2013/6/21

『檸檬』は言わずとしれた名短編。

内容はなんてことはなく、主人公がただ檸檬の質感や色や手触りなどについて、異様な好奇心をもつ様子が描かれるというものです。

そんな単純な話ですが、読み終わるとなぜか檸檬がこびりついて離れない。不思議な引力のある作品です。

空気感や雰囲気が独特な小説を知りたい方に、おすすめの一篇となっています。

8.『壁』

安部公房:(新潮文庫) 文庫 – 1969/5/20

『壁』は安部公房が芥川賞を受賞した『S・カルマ氏の犯罪』を含め、全三部で構成された短編集です。

安部公房は海外でも高く評価されている日本文学作家の一人で、ノーベル賞受賞も囁かれたほどの人物です。

代表作の『砂の女』もおすすめですが、短編で気軽に読める作品はやはり『壁』でしょう。

中でも第三部の『赤い繭』は5ページほどで読みやすく、また安部公房らしい世界観が強く出ている作品です。

「変化球」という言葉が似合うような彼の作品は、普通の日本文学に挫折した人や、一風変わった小説を読みたいという方におすすめです。

9.『刺青』

谷崎潤一郎: (新潮文庫) 文庫 – 1969/8/5

耽美で芸術的な作風の作家として知られる谷崎潤一郎。

最初期の作品である『刺青』には、そうした彼の魅力が詰まっています。

谷崎潤一郎という作家は、彼以上に芸術性の高い文体で小説を書く者は今後現れないだろうとまで言われる人物です。

文体が創りあげる妖艶な世界観に触れたいという方におすすめの小説です。

10.『笑うな』

筒井康隆:(新潮文庫) 文庫 – 1980/10/28

代表的な文学作品が続いたので、少し休憩がてらに。と言うと怒られそうですが、この作品に限っては褒め言葉なんです。

筒井康隆の『笑うな』は底抜けに面白い小説です。それも「笑える」面白さ。

よく、「クスッと笑える」とか、「声を出して笑った」くらいの小説ならよくあるのですが、「爆笑する」ような作品は滅多にありません。

その滅多にない作品が『笑うな』です。本で爆笑するんですよ、考えられますか?

でもタイトルは『笑うな』ですので、皆さん、決して笑わないで下さい。

面白いという意味での面白い、異色の小説です。ぜひ。


11.『恩讐の彼方に』

菊池寛:(新潮文庫) 文庫 – 1970/3/27

菊池寛は芥川龍之介の親しい友人で、芥川の死後に芥川賞を創設した人物です。

また出版社である文藝春秋の創設者でもあり、世の中の流れを掴むことに優れていた才覚のある人でした。

そんな彼の代表作である『恩讐の彼方に』は、実在した僧である禅海という人物を題材にした物語。

禅海は、ある村はずれに有る危険な崖道を人々が通らなくて済むように、生涯を掛けてその崖を掘ってトンネルを作ったという僧です。

その逸話をもとに、なぜ禅海がトンネル掘りに執着したのかという点を菊池寛がフィクションで補った話になってます。

感動できる物語の日本文学を知りたい人におすすめの小説です。

12.『銀河鉄道の夜』

宮沢賢治:(280円文庫) 文庫 – 2011/4/15

岩手童話の神様、宮澤賢治。

そんな彼の作品の特徴は、「生態系への眼差し」と「独特な宇宙観」、それから「死生観」です。

『銀河鉄道の夜』では、後ろの二つである宇宙観と死生観が強く出ています。

幻想的な宇宙がテーマの日本文学を読みたい人におすすめの一冊です。

13.『美しい村』

堀辰雄:(新潮文庫) 文庫 – 1951/1/29

ジブリの映画で人気となった「風立ちぬ」。

その原作者である堀辰雄の作品、『美しい村』です。

「風立ちぬ」を観た人なら分かると思いますが、緑の豊かな自然と山荘で、主人公とヒロインが出会う場面があります。

堀辰雄の多くの作品はそのような山荘が舞台であり、そこで繰り広げられる心象風景が独特なタッチで描かれていきます。

世界観を味わうことに面白さがある小説ですので、ストーリーの展開ではなく空気感のある作品が読みたいという方におすすめです。

14.『豹』

内田百閒:(ちくま日本文学 1) 文庫 – 2007/11/20

猫好きで有名な内田百閒。猫が好きすぎて猫を題材とした長編小説を書いているほどです。

ここで紹介するのは、同じネコ科の動物がタイトルの『豹』という作品。

初期の内田百閒は幻想的な作風で書いたものが多く、この『豹』も不思議で可笑しい物語になっています。

主人公が豹に追いかけられる話で、結末は意味不明。

フロイト的な解釈で読み解くことは出来ますが、それでもまだ捉えきれない奥深さがあります。

怪奇的な作品が好きな人におすすめの作品です。

15.『名人伝』

中島敦:(角川文庫) 文庫 – 1968/9/9

『山月記』でおなじみの中島敦。

33歳でこの世を去った彼は、その若さで独特な漢文調の文体を創りあげていた天才でもありました。

ここで紹介する『名人伝』も彼の中国物の一つで、

  • 名人とはなんたるか

というテーマが、弓の修行をする主人公を通して描かれていきます。

中島敦の隠れた傑作という声も多い作品。

彼のおすすめ作品はこちらからどうぞ▽




16.『たけくらべ』

樋口一葉:(新潮文庫) 文庫 – 2003/1

『たけくらべ』は五千円札にもなったあの人、樋口一葉の小説です。

初めは古典的仮名遣いや旧字などにまごつきますが、半分くらい読み進めると不思議とすらすらと読めてくる、不思議な小説です。

今回の記事でおすすめする作品のなかでは最も古くに発表されたものとなります。

他の小説に比べると少し難易度は上がりますが、押さえておきたい日本文学のひとつであることは間違いないでしょう。

日本文学に親しんでいると、あるとき不意に、旧字体で読む楽しさに気が付く瞬間が訪れます。

そうなってからでも良いので、『たけくらべ』はぜひ読んでおきたい一冊です。

17.『遠野物語』

柳田国男:(角川ソフィア文庫) 文庫 – 2004/5/26

昔話や言い伝えというのは人類の宝物でしょう。

数百年前までは、貴族以外の人々にとっての文学は、口承によるものが一般的でした。

柳田国男の『遠野物語』は、そんな民間に伝承されてきた説話や言い伝えを編纂したものです。

厳密には小説ではないですが、生の物語の楽しさや不気味さに触れられるという観点からおすすめできます。

文学科などで勉強している学生さんなどは必読の一冊だと思います。

18.『桜の森の満開の下』

坂口安吾:(講談社文芸文庫) 文庫 – 1989/4/3

『堕落論』で有名な坂口安吾。太宰治と並んで無頼派と呼ばれるジャンルにカテゴライズされる人物です。

そんな彼の作品『桜の森の満開の下』は、坂口安吾の最高傑作と名高く、多くの評論家に芸術的な小説だと評価されています。

芸術的・幻想的な作品が好きだという方におすすめの小説です。

19.『夫婦善哉』

織田作之助:(新潮文庫) 文庫 – 2016/8/27

大阪の飲食店がたくさん出てくる小説『夫婦善哉』。

作者の織田作之助は大阪出身で、大阪を舞台にした作品を多く執筆した作家です。

商魂溢れた活気ある大阪と、大阪ミナミ特有のガヤガヤとした感じがリアルに描かれています。

タイトルにもなっている「夫婦善哉」は実際にあるぜんざい屋さんで、今でも大阪は法善寺に店があります。

他にも「自由軒」のカレーや、日本で最古のおでん屋「たこ梅」など、現在でも大阪で食べられる飲食店が数多く登場する点も魅力的です。

もちろんストーリーも面白く、一昔前の大阪の雰囲気を知りたい人に強くおすすめしたい作品です。

20.『大人の絵本』

宇野千代:単行本 – 1997/8

王道から少し離れて、滅多に出会えないコアな作品の紹介です。

様々なジャンルで才能を発揮し、多くの恋愛を経験した、華やかさが似合う女性作家の宇野千代。

彼女のパートナーでもあった画家の東郷青児とのコラボでつくられた『大人の絵本』は、美しく端麗な文章で描かれた短編集です。

今は手に入りにくい作品ですが、東郷青児らしいセンスの挿絵がかっこよく、装丁は手元にあると幸せな気分になれるような黒い高級感のあるようなものになっています。

古本でも構わないという方は、ネットや古書店で探してみて下さい。

各話が短いので、ちょっとした時間や寝る前の読書などにもおすすめです。


21.『女生徒』

太宰治:(角川文庫) 文庫 – 2009/5/22

やってきました太宰治。『人間失格』が有名ですが、この記事を見られてる方なら読んでいる人も多いかもしれません。

ですので、ここでは女性が主人公の名作を紹介します。

実は太宰の女性語り作品は評価が高く、『おさん』『饗応夫人』『きりぎりす』など、女性語りの佳作を挙げればきりがありません。

『人間失格』のような独白体以外の女性の文体も、太宰治という作家の魅力なのです。

なかでも『女生徒』は素晴らしい作品で、女生徒の一日が特有の文体で描かれていく物語です。

『人間失格』は読んだから他の作品も読んでみたいという方や、逆に『人間失格』は合わなかったという方におすすめしたい小説です。

純文学も面白い

ここではとりあえず21作品を紹介してきました。

僕が読書について思うことは、

  • 読めば読むほど読書力が鍛えられる

ということです。

ですので、純文学は読みにくいと悩んでいる方は、小さな作品でも良いので、とにかくひとつの小説を読み切るということが大事です。

極端な話をすれば、子ども向けの童話だって良いのです。

ページをめくって、終わりまでたどり着く。その繰り返しで純文学は自然と読めるようになっていきます。

いきなり超弩級の作品に取りかかると、多くの方が挫折します。それよりも、まずは小さなステップから始めてみて下さい。

そんな思いも込めて、今回のおすすめ純文学のラインナップをつくりました。

正直まだまだおすすめし足りないので、これからも作品は増えていくと思います。が、とりあえずはこのへんで。

以上、近代日本文学のおすすめ21選でした。

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