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チママンダ・ンゴズィ・アディーチェのおすすめ小説5選!

2021年7月17日

現代ナイジェリアを代表する作家

C.N.アディーチェはフェミニズム・人権問題・次世代教育と幅広く活動しており、そうした彼女の生き方や思想は小説にも強く表れています。

ここでは日本で出版されているアディーチェの小説を全て読んだ僕が、彼女のおすすめ小説5作をまとめました。

さきどり!おすすめ本ランキング

ビアフラ戦争で描かれるイボ人のアイデンティティ1位 『半分のぼった黄色い太陽』

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼた のぞみ(訳)

移民&人権問題をテーマにした恋愛小説!2位 『アメリカーナ』

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼたのぞみ(訳)/河出書房新社

民族・宗教・移民。作者の問題意識が詰まった短編集3位 『なにかが首のまわりに』

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼた のぞみ(訳)/河出書房新社

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェのおすすめ5選!

1.『半分のぼった黄色い太陽』

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼた のぞみ(訳)

『半分のぼった黄色い太陽』は双子の姉妹が主人公の小説。1960年代に起こったビアフラ戦争を軸に、イボ人のアイデンティティの獲得と喪失が描かれる物語です。

戦争・飢饉・虐殺というテーマを扱っているものの、ストーリーの面白さやユーモアに満ちた会話文で一気に読ませる作品になっています。

ナイジェリアの民族や、近代ヨーロッパがナイジェリアに与えた影響、またビアフラ戦争という事件について知りたい人におすすめです。

2.『アメリカーナ』

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼたのぞみ(訳)/河出書房新社

『アメリカーナ』は、高校で恋愛に落ちた男女ふたりが主人公。彼女はアメリカへ、彼はイギリスへ渡り、そこで抱える移民問題をテーマに進む恋愛小説です。かなりの長編で、『半分のぼった黄色い太陽』の2倍くらいのページ数があります。

移民のリアルな声が伝わってくる小説なので、移民問題や人権問題に興味がある人には強くおすすめできます。個人的には、数年後にもまた読み返したい一冊です。

3.『がんこな歴史家』(短編集「なにかが首のまわりに」所収)

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼた のぞみ(訳)/河出書房新社

『がんこな歴史家』は、イボ族の文化が白人に破壊される様子、またそのささやかな再生を描いた物語で、アチェベの『崩れゆく絆』の短編版ともいえる話です。

イボ族の雰囲気や簡単な近代史が知りたい方におすすめの一篇。

4.『セル・ワン』(短編集「なにかが首のまわりに」所収)

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼた のぞみ(訳)/河出書房新社

『セル・ワン』は、現代ナイジェリアが舞台の短編小説で、少年のカルト集団による暴力事件を軸に物語は進みます。

 

警察や政治家の汚職など、現代ナイジェリアで起こっているリアルな問題が描かれます。現代ナイジェリアの状勢に興味がある方におすすめの一篇です。

5.『ママ・ンクウの神様』(短編集「アメリカにいる、きみ」所収)

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/くぼた のぞみ(訳)

『ママ・ンクウの神様』は、精霊思想だったイボ族にキリスト教が押し寄せた結果、イボ族がとった信仰の妥協点を描いた物語です。

『がんこな歴史家』や『崩れゆく絆』に表れるテーマを、現代ナイジェリア人が俯瞰的に分析しているような短編になっています。イボ族の信仰や、『崩れゆく絆』が面白かったという人におすすめの一篇です。

以上、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェのおすすめ小説5選でした!