現代日本文学

『十二国記』読む順番は「魔性の子」からがおすすめ!ネタバレなしで理由を説明します

2022年8月15日

『十二国記』は0巻から読むか?1巻から読むか?

大人気のダークファンタジーシリーズ作品である『十二国記』。

この小説には、0巻「魔性の子」があり、0巻から読み始めるか、1巻から読み始めるかで意見が分かれます。

ここではそんな『十二国記』シリーズを全て読んだ僕が、0巻「魔性の子」から読むべき理由を、ネタバレなしでお伝えします。

『十二国記』は「魔性の子」から読み始めるのがおすすめ!

0巻「魔性の子」を先に読むべき理由は、以下の3つです。

  • ホラー/ダークファンタジーの魅力を最も楽しめるから
  • あのドキドキは0巻から読まないと味わえないから
  • 0巻が最初に書かれ、ストーリーは0巻を読んでいる前提で進むから

それでは詳しくお話しします。

1.0巻「魔性の子」はホラーファンタジーの傑作

『十二国記』シリーズは、「ホラーファンタジー」や「ダークファンタジー」と呼ばれることが多いです。

その理由は、妖魔や妖獣といった人間でない生き物が出てきたり、人間の心の醜い部分がリアルに描かれるからでしょう。

0巻「魔性の子」は、そんな「ホラー/ダーク」の魅力たっぷりに描かれており、『十二国記』の中でも1,2を争うほど面白い作品になっています。

2.あのドキドキは0巻から読まないと味わえない

もし1巻『月の影 影の海』から読み始めると、いきなりファンタジーの世界が待ち受けています。

なぜその世界が出来たのか?その世界がどういう仕組みで動いているのか?

こうした疑問が、少しずつ説明されていきます。

小助
例えるなら、プレゼントの箱を開ける前に中身を知らされているようなものですね。

何も知らずに0巻を読むか、世界観を理解したうえで0巻を読むか。

ホラーファンタジーの魅力を存分に味わいたい方は、0巻から読むことをおすすめします。

3.物語は0巻を読んでいる前提で話が進む

『十二国記』シリーズは、0巻「魔性の子」が一番初めに書かれました。

なので、0巻を後に読むと、デメリットも生じてきます。

そのデメリットとは、物語が0巻を読んでいる前提で話が進むということ。

第3巻の内容でさえ、0巻の内容が踏まえられています。

もちろん、0巻を読んでいなくても分かるようにはなっていますし、0巻はいつ読んでも良い物語です。

しかし、作品をシリーズで楽しみたい人は、0巻から読むのがベストでしょう。

ただし、怖いのが苦手な人は1巻からでもOK

0巻「魔性の子」は、ホラーファンタジーとして傑作です。これはもう間違いありませんし、面白さは保証できます。

しかし、以下のような人は1巻から読むことをおすすめします。

  • ホラーが絶対にダメな人
  • ファンタジーを気軽に楽しみたい人

正直に言って、「魔性の子」は大人が読んでも少し怖いです。

小助
怪奇小説で世界的に有名な、H.P.ラブクラフトの『クトゥルフ』シリーズのような怖さがあります。

ホラー映画のような怖さではなく、どちらかというと不気味な恐ろしさです。

そのため、ホラーはぜっっったいに苦手!という人は0巻をスルーしても良いでしょう。

また、1巻「月の影 影の海」からはホラー要素が薄れて、ファンタジー要素が強くなります。

ファンタジーだけを楽しみたい人も、1巻から読むのが良いかもしれません。

もし0巻を後から読むなら2巻の次に

『十二国記』シリーズは、それぞれの巻で主人公が違います。

小助
0巻と1巻でも主人公が違いますね

0巻の主人公の話が次に描かれるのは3巻なので、3巻の前に0巻を読むのがベストです。

つまり、順番は以下のようになります。

  1. 1巻『月の影 影の海〔上〕』
  2. 2巻『月の影 影の海〔下〕』
  3. 0巻『魔性の子』
  4. 3巻『風の海 迷宮の岸』
  5. 4巻『東の海神 西の滄海』

5巻以降順番につづく

作者による物語の展開を尊重しつつ、ホラー要素を薄めた順番です。

この順番であれば、作品の面白さもあまり損なわず、ホラー感も少なく読めるでしょう。

『十二国記』は新潮社版がおすすめ

ちなみにですが、『十二国記』は新潮社版と講談社版の2種類があります。

小助
紺色が新潮社版で、白色が講談社版。おすすめは新潮社版です。

その理由は、新潮社版は全ての物語が収録されている完全版だからです。

講談社版には、0巻『魔性の子』10巻『丕緒の鳥』11巻〜14巻『白銀の墟』がありません。

内容はどちらも同じですが、新潮社版は全ての物語が収録されているので、これから読む人は新潮社版をおすすめします。

以上、『十二国記』の読む順番についてでした。

「魔性の子」は単体でも傑作なので、ぜひ読んでみてください。