十二国記シリーズは『白銀の墟』で完結したのか?
0巻『魔性の子』から30年が経ち、日本ダークファンタジーの代表作として君臨し続ける十二国記シリーズ。
2019年には『白銀の墟』が刊行され、シリーズ全15巻という大作になりました。
この記事では、そんな十二国記シリーズが完結したのかを考察していきます。
作者・小野不由美さんの構想では完結
18年ぶりの新刊となった『白銀の墟』で、作者の小野不由美さんとしては一応の完結と考えているようです。
実際に、メインキャラクターの物語はきちんと区切りがついています。
- 中嶋陽子(1.2.5.6.8巻)
- 小松尚隆(4巻.ガイドブック短編「漂舶」)
- 高里要(0.3.8.11.12.13.14巻)
『十二国記』シリーズは十二国の実情を描く物語ですが、蓋を開けてみれば、上記の三人のストーリーでもあります。
始まりの物語『魔性の子』の主人公である高里要。
しかし、小野不由美さんの構想上では完結しており、最新刊『白銀の墟』も18年ぶりに刊行されたことを考えると、新作長編はあまり期待できないかもしれません。
新作短編は刊行予定!予想される内容は?
実は、2020年にオリジナル短編の刊行が決定していましたが、その発売が延期になっています。
2022年夏時点ではまだお知らせがありませんが、発売は数年以内だと考えて良いでしょう。
新刊短編で予想される内容
短編では、以下のような物語が描かれるのではないかと考えています。
- ほとんど描かれていない舜の国の様子
- 楽俊の故国・巧国の復興
- 傾き始めた柳国の末路
- 現・宗国王の登極の顛末(580年前)
- 完全には明かされていない黄海の飛仙や妖魔の謎
予想というか、期待に近いですね笑
ただし、舜や範の国については、書かれない可能性も高いです。
本当は永遠に続く王朝は絶対にありえない。その王と麒麟が永遠にいる世界にはしたくないのです。そういう理由で、敢えて書かない国を残しておきたいという事情もあります。
小野不由美『十二国記30周年記念ガイドブック』新潮社,141
新しい短編集が出るとしても、これまでの国が背景となっている、新しい角度からの物語が多いかもしれません。
ちなみに、『十二国記』30周年の公式ガイドブックでは、幻の短編『漂舶』が収録されています。
延王・小松尚隆の登極から約100年後の物語。しみじみと味わい深い短編で、シリーズを読んでいる方は必読です。
以上、『十二国記』の完結&今後の短編集についての考察でした。
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