『十二国記』の景麒のセリフって何?
「ゴゼンヲハナレズチュウセイヲチカウトセイヤクスル」
口早に言うやいなや、陽子を睨み据えた。
「許す、と」
「何なの」
「命が惜しくないのですか。ー許す、と仰い」『十二国記「月の影 影の海(上)」』新潮社
『十二国記』の登場人物である景麒(けいき)。
彼は、主人である中嶋陽子と契約をするとき、誓いのセリフを述べます。
中嶋陽子は何がなんだか分からないので、思わず「許す•••」と言ってしまいます。
小説では、第一巻『月の影 影の海(上)』の序盤シーンです。
この契約によって、ただの女子高校生だった中嶋陽子の運命が、大きく変わっていくことになります。
このセリフの意味は?
誓いのセリフは、漢字で書くと以下のようになります。
御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと、誓約申し上げる。
御前(ごぜん)を離れず、詔命(しょうめい)に背(そむ)かず、忠誠を誓(ちか)うと、誓約(せいやく)申し上げる。
『十二国記「月の影 影の海(上)」』新潮社
「あなたのそばを離れず、あなたの命令を全て受け入れ、忠誠を誓うことを約束します」って意味ですね。
この後の麒麟は頭を下げて、一本の角を主人の足に当てます。
麒麟はこの世界で王の次に位が高い生き物です。なので、主人以外に頭を下げることはありません。頭を下げて角を足に当てることは、麒麟にとって最大限の忠誠を表す行為というわけです。
麒麟が主人と契約するときのセリフ
このセリフは麒麟と主人が契約するときに交わす「決まり文句」なので、一巻以外にも作中で何度か出てきます。
アニメでも有名な誓いのセリフ。
小説だと切迫感を表すためにカタカナだったり、逆に句読点をたくさん置いて重々しさを表現していたりと、文字がより効果的に使われています。
実は、『月の影 影の海』ではこのセリフが二回使われています。
大人でも楽しめるヒューマンドラマファンタジー。小説を読んだことがない方は、ぜひ読んでみてください。
以上、『十二国記』麒麟・景麒(けいき)の誓いのセリフについてでした。