金原ひとみおすすめ小説ベスト5!
『蛇にピアス』しか読んでいないのは非常にもったいない!
芥川賞受賞時の2004年から2011年までは恋愛小説を書くまくり、二児の母となった2011年からは母視点の小説が増えました。
2018年にフランスから帰国したあとは、「女性」としての視点に立ち戻り、精力的に執筆されています。
ここでは、そんな金原ひとみさんの全作品20冊を読んだ僕が、おすすめの小説ベスト5を紹介します。
-
金原ひとみ作品の面白さを徹底解説!分裂と母性と女の回帰まで
1.『ミーツ・ザ・ワールド』
腐女子の主人公が美人ギャルと出会い、人生が変わっていく物語。
『推し、燃ゆ』よりもポップなオタク系小説で最高に面白く、金原作品でも読みやすさはピカイチ。
2022年の作品ですが、近年の代表作と言える一冊です。とにかく面白い小説を読みたいならこれです。
2.『ハイドラ』
『蛇にピアス』と似た構成・テーマで描かれた初期の小説。
描写力が格段に上がっているため、小説としてのクオリティがかなり高くなっています。
拒食症の辛さ克明に描かれていたところが印象的な一冊。『蛇にピアス』が面白かったという人におすすめです。
3.『TRIP TRAP』
初期の恋愛作品群から、母へと変わりゆく過渡期に刊行された小説。
主人公の半生が、6ヶ所への旅(彼氏の家、沼津、パリ、フリウリ、ハワイ、江ノ島)を通して描かれます。
短編の形式になっているので、少しずつゆっくり読めるのも嬉しいポイントです。
4.『マザーズ』
二児の母でもある金原ひとみさん。『蛇にピアス』しか読んでいない人は、こんな作品も書けるのかと驚くかもしれません。
母としての苦しさや辛さが正直に描かれた大作で、僕が金原さんのファンになったきっかけでもある小説です。
三人の母親が織りなす群像劇。女性はもちろんですが、個人的には男性にこそ読んでほしいと思います。
5.『クラウドガール』
しっかり者の姉と、甘えたがりで奔放な妹が織りなす、母を亡くした姉妹の物語。
金原作品の特徴である浮気や不倫、バイオレンスや性的描写といった要素がほぼない稀有な作品です。
読みやすい金原ひとみさんの小説を探している人は、『クラウドガール』か『ミーツ・ザ・ワールド』をおすすめします。
以上、金原ひとみさんのおすすめ小説ベスト5でした。
紹介した本を参考に、新しい金原文学の魅力にぜひ触れてみてください。