芥川のおすすめランキング!
芥川龍之介は35歳という短い生涯の中で、およそ150篇ほどの小説を残しました。
代表的な作品も数多くあるので、結局どれから読めばいいか分からない!と思う方は多いはず。
ここではそんなあなたのために、芥川の選りすぐりの作品を、
- 読みやすさ
- ストーリー性
- 作家の素顔
の3つの項目に分けてランキング形式にしました。それではさっそく見ていきましょう。
読みやすさランキングベスト3
ここでは、ページ数の少なさと、言葉の簡単さと、分かりやすさを軸に選定しました。
それぞれ10分程度で読み終えることが出来ます。簡単なものから芥川の作品に触れてみたいという人におすすめです。
1位 『蜘蛛の糸』
・読みやすさ
・分かりやすさ
・語句の簡単さ
・ページ数 4ページ
地獄に落ちたカンダタの目の前に、天から蜘蛛の糸が垂れてくる話。
芥川が初めて書いた児童向けの文学です。
とはいえ大人も楽しめる作品になっているので、初めての芥川作品にはおすすめの一作。
2位 『蜜柑』
・読みやすさ
・分かりやすさ
・語句の簡単さ
・ページ数 3ページ
列車の中で、主人公と見知らぬ田舎娘の間に起こる出来事の話。
『蜜柑』の物語は芥川作品の中でもトップクラスの短さです。ですが、その短い中でも、心を掴まれる秀逸な短編です。
3位 『トロッコ』
・読みやすさ
・分かりやすさ
・語句の簡単さ
・ページ数 8ページ
トロッコを押してみたい少年の話です。
時代設定が現代であり、また語句も簡単なものが多いので、読みやすさはトップクラスでしょう。
大人になってから読み返してみれば、余計に面白い物語でもあります。
物語の面白さランキングベスト3
このランキングの選定基準は、盛り上がりのあるストーリーかどうか。また、独創的な世界観であるかどうかを軸にしました。
小説に慣れている人や、とにかく面白いものが読みたいという人におすすめのベストスリーです。
1位 『杜子春』
・ストーリー
・世界観
・怪奇性
・ページ数 18ページ
お金のない主人公と、不思議な仙人の話。
ストーリーの起伏がしっかりとしていて面白いです。
また、物語の舞台である、昔の中国の異国情緒あふれる世界観もみどころです。
2位 『地獄変』
・ストーリー
・世界観
・芸術性
・ページ数 46ページ
天才絵師が地獄の絵を描く話。
主人公のキャラクターも際立っていて、世界観もしっかりとあります。
迫力のある山場と物語の衝撃的な結末がみどころです。
3位 『河童』
・ストーリー
・世界観
・幻想性
・ページ数 68ページ
人間の主人公が河童の世界を旅する話です。
よく風刺的な作品だと言われますが、純粋に河童の世界の幻想性を楽しむことも出来ます。
日本版の不思議の国のアリスのような作品だといえば、分かりやすいかもしれません。
芥川の素顔に迫るランキングベスト3
ここでは芥川自身のことが主題になっている小説を、内容の濃さと赤裸々度合いで選びました。
芥川の素顔が知りたい!という人や、私小説が好きだ!という人におすすめの3作品です。
1位 『或阿呆の一生』
・芥川度
・赤裸々度
・ページ数 40ページ
芥川の二十歳の頃から死の直前までの印象風景を、五十一の場面にまとめたもので、死後発表された遺稿の1つです。
冒頭には「少くとも意識的には自己弁護をしなかつたつもりだ」という文章があり、ある程度正直な告白であることが信頼出来ます。
様々な人物が出てくるので、その関係性の中から芥川の外面を知ることができます。
2位 『歯車』
・芥川度
・赤裸々度
・ページ数 47ページ
『歯車』は、晩年の芥川の精神の動きに焦点が当たっている作品です。
『或阿呆の一生』が外面なら、『歯車』は芥川の内面が描かれていると言ってよいかもしれません。
精神的に死に近づく芥川の姿が映し出されています。
3位 『点鬼簿』
・芥川度
・赤裸々度
・ページ数 8ページ
『点鬼簿』は、芥川の死んだ両親と姉のことが、芥川の目線を通して描かれています。
タイトルの「点鬼簿」は過去帳という意味で、芥川の幼い過去が描かれているのはこの作品です。
ページ数も少ないので、簡単に読めるという点でもおすすめです。
-まとめ-
以上、芥川の作品のタイプ別ランキングの全9作品でした。
便宜上タイトルごとに文庫本を紹介しましたが、短編集を買って読むのが現実的かと思います。
こちらの短編集は、芥川の代表的な作品が程よく収録されているのでおすすめです。
芥川龍之介は、書く時期で作風が大きく変わる作家です。短い小説ばかりなので、ぜひあなたに合った作品を見つけてみてください。
ちなみに、筆者が個人的に好きなのは『河童』と『地獄変』です。
ここでは芥川の作品の解説や感想などもまとめていますで、読み終わった際にはぜひ参考にしてみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました!