『ハウルの動く城』原作のその後とは?全三巻の内容を紹介!
ジブリ『ハウルの動く城』は、イギリスのファンタジー小説を原作としたアニメです。
原作は全三巻からなり、『ハウルの動く城』はその第一巻をアニメ化したものなので、「あの話の続きはどうなるんだろう?」と思う人も多いかもしれません。この記事では、そんな『ハウルの動く城』の原作のその後について、紹介します。
・原作は各巻で主人公が違う
実は、原作はそれぞれの巻ごとに主人公が違うため、第二巻と第三巻は、ハウルとソフィーが主人公の物語ではありません。
ただ、物語の中心人物としては登場するので、彼らのその後が分かるようになっており、ハウルとソフィーの子どもなども登場します。
ここでは、そんな『ハウルの動く城』の原作1~3巻を紹介することで、ハウル達はその後どうなったのかというところを、具体的に紹介します。
・第一巻「魔法使いハウルと火の悪魔」はジブリ版の原作!
まず第一巻は、『魔法使いハウルと火の悪魔』です。ジブリ版の原作となっているのはこの本で、ハウルが荒れ地の魔女を倒すまでが描かれています。
この物語のラストでは、ハウルがソフィーに対してこんなことを言います。「ぼくたちって、これから一緒に末永く暮らすべきなんじゃない?」。これは、昔話のラストシーンによくある、「2人は末永く幸せに暮らしましたとさ」というハッピーエンドを引用した、ハウルなりのジョークです。
しかしソフィーはこの言葉を受けて、ハウルと一緒になったら全く逆の「波乱に満ちた暮らし」になるだろうと予想し、そんな人生を歩んでいく覚悟を決めています。
第二巻と第三巻では、そんなソフィーの予想通り、波瀾万丈な物語がハウル達を巻き込みながら展開されていきます。
・第二巻「アブダラと空飛ぶ絨毯」でのハウルは王室付きの魔法使い&父親に!
『ハウルの動く城』の続きとなる第二巻は、アラビア物語を下敷きにしたファンタジーです。
商人である主人公のアブダラが美しい王女様と恋に落ちますが、彼女が何者かに連れ去られたため、敵から奪い戻すまでのストーリー。砂漠やオアシスの旅などから、アラビアンな雰囲気が特徴的な物語になっています。
物語の設定では、ハウルは王室付きの魔法使いになっており、他国を侵略するために国王の命令でしぶしぶ力を貸しています。この点は、ジブリ版『ハウルの動く城』でも描かれていた「戦争と徴兵」がテーマになっていることが分かります。
ハウルたちの子どもが登場
また、ハウルたちの子どもが出てくるのもこの物語です。ちなみに、ハウルの城は敵に乗っ取られており、巨大な空中要塞として存在します。
前半は主人公のアブダラに焦点が当てられており、ハウル達ががっつりと登場するのは後半から。ハウル達が主人公ではないものの、第一巻と同じくらい物語の中心人物としてストーリーを動かしていくので、ハウル達の活躍を楽しみたい方は満足できるおはなしになっています。
・第三巻「チャーメインと魔法の家」にはホラーファンタジー要素が!
最後の第三巻は、ハイ・ノーランドという北の国が舞台。毎日が退屈だと感じている少女・チャーメインの人生が、魔法と出会って変わっていく物語です。
ハウル達は、その北の国の王様に、国の問題を解決して欲しいと呼ばれており、少し成長した(3歳くらいの)ハウルたちの子どもと一緒に、動く城で北の国へと向かいます。
この物語では、ハウルやソフィーよりも「カルシファー」の活躍が目立ちます。ハウルの城をたくさん動かしたり、城の大きさを利用して敵と戦ったりする場面が多いからです。
第三巻は敵が怖ろしい
というのも、この物語だけは、前の物語と比べて敵の性質が少し違うんですね。
前の二巻は、強い魔力を持つ悪役が敵だったのですが、第三巻は「ラボック」や「ラボキン」と呼ばれる邪悪な魔物が敵となっています。
この魔物達について簡単に説明します。「ラボック」とは、
- 昆虫に似た紫色の危険な生物
- 人間を見ると襲いかかり、引き裂いて食べる
- 繁殖期には人間に卵を産み付ける
- 宿主が男性→身体を引き裂いて生まれてくる
- 宿主が女性→出産の形で産み落とされ、女性は死亡する
- 女性から生まれたものは(人間とラボックのダブルである)「ラボキン」となる
このように、これまでの敵に比べると少しグロテスクで、非常に怖ろしい存在として描かれています。
前作まではファンタジー色が強かったハウルシリーズですが、第三巻ではホラーの要素が加わり、ホラーファンタジーの雰囲気が強く出ています。
ハウル達ももちろんこのラボキンと戦いますが、カルシファー活躍が目立つので、カルシファーファンの人には嬉しい物語かもしれません。
・全三巻におけるハウルたちの物語
以上、全三巻におけるハウルたちの物語をまとめるとこんな感じです。
第一巻で荒れ地の魔女と戦ったハウルたちは一緒に暮らすことになり、第二巻ではハウルとソフィーとの間に子どもが生まれます。また、ハウルは王室付きの魔法使いになっています。
第三巻ではハウルの動く城が北へと向かい、そこにいる魔物達と戦ったり、王国の問題を解決したりして、最後は南へと帰って行きます。原作はハウル達が主人公の物語ではないですが、どの物語にも中心的な人物として関わっています。
残念なことに、作者のダイアナ・ジョーンズさんは2011年に亡くなったため、ハウル達の物語は、荒れ地の魔女との戦いから数年後までしか描かれておらず、その後のストーリーは読者の想像に委ねられています。
原作小説はファンタジーとしての評価が高いので、興味がある方はぜひ一度読んでみてください。以上、『ハウルの動く城』の原作の続きについてでした。
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