『ゲド戦記』大賢人ゲドを深堀解説!
ジブリ版『ゲド戦記』に登場するゲドって、目立った活躍をするわけでもないし、よく分からない存在ですよね。
この記事では、「大賢人と呼ばれるゲドがどのくらいすごい人物なのか」ということを原作を参考にしながら解説していきます。
・ゲドのプロフィール
まずゲドのプロフィールですね。こんな感じです。
- 幼い頃の名前はダニー
- 生まれはゴントというアースシーの北東にある島国
- 1歳にならないうちに母親は死に、父親は村の鍛冶屋
- 大きくなってからはヤギ飼いをしていたので、一番最初に覚えたまじないは、「ノース・ハイアス・モーク・マン。ホーク・ハン・マース・ハン」という、ヤギを集める呪文
- 母親の姉が村のまじない師だったので、ゲドは彼女から魔法を教わる
優れた素質を持っていたゲドは、アースシーの世界でたったひとつしかない魔法学校に入学し、魔法使いとしての道を歩み、後に大賢人と呼ばれるまでになります。
・「大賢人」って?
大賢人ってどのくらいすごい人なの?ということなんですが、とてもすごい人です。
魔法学校があるロークという島は、アースシーで最も強力な魔法の力がはたらいている場所なんですね。そんなロークをおさめる最も優れた魔法使いが大賢人と呼ばれます。
つまり、「ゲド戦記」の世界で一番優秀な魔法使いを大賢人と呼び、その称号をゲドが持っているということになります。簡単に言えば、ゲド戦記の中で一番すごい魔法使いだということです。
・ゲドは「竜王」でもある!
ゲドはそのほかにも、「竜王」という称号も持っています。「ゲド戦記」には竜が登場するのですが、その竜と話すことができる魔法使いが「竜王」と呼ばれます。
「竜王」の素質を持つ魔法使いは歴史的にもめったに現れませんが、ゲドはそんな数少ない竜王の一人です。
今いる魔法使いの中でも一番優れた魔法使いであり、歴史的に見てもゲドは屈指の魔法使いだということです。
・ゲドとクモの関係は?
最後に、ジブリ版ゲド戦記では詳しく描かれることのなかった、「ゲドとクモの関係」について、少しだけお話しします。
クモは、死者を呼び出す術を乱用して財産を作っていた魔法使いです。その術は簡単に使って良いものではありませんでしたが、富豪の人々を喜ばせるために、クモは軽々しく死者を呼び出し、お金を儲けていました。
ゲドがまだ大賢人となる前のこと、今は亡き彼の師匠を、クモが死者の国から呼び出しているのを目撃し、ゲドは激怒します。
ゲドに懲らしめられたクモは遠い土地に逃げて、2人の関係はそれでおしまいでした。しかし、その後にあるかたちで2人は再会を果たします。
その再会の場面を含めた物語が、ジブリ版「ゲド戦記」では描かれています。なので、作中では2人が顔見知りであるようなセリフが交わされるわけです。
ジブリ版ではアレンとクモの対決にフォーカスが当てられていますが、実はゲドとクモの因縁の対決でもあるストーリーなんですね。
・原作『ゲド戦記』でもゲドは目立たないキャラクター
以上がゲドの簡単なまとめですが、実はジブリ版だけでなく、原作でもゲドは目立った活躍をするわけではありません。
第2巻の「こわれた指輪」ではテナーが、第3巻ではアレンが、第4巻ではテルーが主な登場人物として活躍します。もちろんゲドも登場するのですが、『ゲド戦記』の魅力は、そうした新たに出てくる登場人物一人ひとりが深く掘り下げられてストーリーが進んでくところにもあります。
『ゲド戦記』というタイトルであるにも関わらず、ジブリ版『ゲド戦記』の主人公がアレンになっている理由は、そうした原作のスタンスを汲んでいるというところもあると思います。
ちなみに、原作第1巻の「影との戦い」は、ゲドが主人公らしく物語を進めていくので、ゲドの物語が読みたい人は第一巻を読んでみるのがおすすめです。
以上、ゲド戦記の「ゲド」についてお話してきました。このブログでは、ほかにも『ゲド戦記』についての解説をしています。ジブリ版『ゲド戦記』をより楽しみたいという方はぜひご覧ください。