アフリカ文学の名作37選!
アフリカ文学は、多くがアパルトヘイトや独立運動、レイシズムやセクシズムなど、アフリカで起こっている問題を主題にした小説です。
それから、アフリカの神話・宗教・自然観を織り交ぜて描かれるアフリカンユーモア的な小説(『やし酒飲み』など)もあります。
ここではそんなアフリカ文学の名作をまとめました。まずは評価の高い小説9作品から紹介し、残る28作品を後にまとめています。
アフリカ文学の名作ベスト9!
1.『崩れゆく絆』チヌア・アチェベ
「アフリカ文学の父」と呼ばれるチヌア・アチェベの作品。『崩れゆく絆』はアフリカ文学の最高傑作として名高いです。
ナイジェリア・イボ族の社会を中心とした物語で、植民地化される前のアフリカ部族に触れることができます。
2.『アメリカーナ』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
現代アフリカ文学を牽引していくであろう若手作家、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの作品。
アフリカの高校生の男女が主人公の恋愛小説。舞台はナイジェリアとアメリカを行き来します。読みやすくも、人種や性別差などもテーマにしている現代的なアフリカ文学です。
3.『ジャンプ』ナディン・ゴーディマー
ノーベル文学賞を受賞した、ナディン・ゴーディマの短編集。
アパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃された1990年頃の、南アフリカの混乱期を描いた小説群です。短編なので読みやすいのも魅力。
4.『ぼくらが漁師だったころ』チゴズィエ・オビオマ
チゴズィエ・オビオマ(1986年生まれ)は本作でロサンゼルス・タイムズ文学賞など4つの新人賞に輝き、ブッカー賞の最終候補にもなった大型新人作家。
1990年代のナイジェリアを舞台に、9歳の少年の視点から語られる壮絶な物語です。
5.『恥辱』J. M. クッツェー
言わずと知れたノーベル賞作家のブッカー賞受賞作で、知名度的にはアフリカ文学でも屈指の作品です。
アパルトヘイトが撤廃されたあとの南アフリカ社会を背景に、そこに住み暮らす人間の姿がリアルに描かれます。
6.『草は歌っている』ドリス・レッシング
ノーベル賞作家、ドリス・レッシングのデビュー作。
アフリカの植民地を舞台に、そこに生きる白人の心理や社会などが克明に描かれているのが特徴です。
7.『アフリカ人、イクイアーノの生涯の興味深い物語』
ナイジェリアで拉致され、奴隷として半生を生きたアフリカ人・イクイアーノの自伝です。
彼の奴隷体験記は、現代のアフリカ文学に深い影響を与えていると言われています。
8.『泣くな、わが子よ』グギ・ワ・ジオンゴ
現在のアフリカ作家のなかでも、ノーベル賞の候補として最も有力なグギ・ワ・ジオンゴ。
1940年~1950年頃のケニア独立運動を背景に、ケニアの農村で生きる少年の視点で描かれる物語です。
9.『やし酒飲み』エイモス・チュツオーラ
アフリカの神話的な雰囲気を内包している物語で、人種差別やアパルトヘイトなどの問題を扱っていないアフリカ文学。
アフリカ民族独特のユニークさに引き込まれる人も多くいて、アフリカ古典の世界では最高峰と言われている作品です。
アフリカ文学の名作31作品!
1.『マヨンベ』ペペテラ
2.『ラウィノの歌/オチョルの歌』オコト・ビテック
3.『ツォツィ』アソル・フガード
4.『ボンバの哀れなキリスト』モンゴ・ベティ
5.『スラム』トマス・アカレ
6.『ケニアの女の物語』ムトニ・リキマニ
7.『アラーの神にもいわれはない』アマドゥ・クルマ
8.『世界が生まれた朝に』エマニュエル・ドンガラ
9.『一つ半の生命』ソニー・ラブ・タンシ
10.『漆黒の王子―アフリカの吟遊詩人=グリオ36の物語』カマ・シウォール・カマンダ
11.『骨たち』チェンジェライ・ホーヴェ
12.『ゼンゼレへの手紙』J.ノジポ・マライレ
13.『満たされぬ道』ベン・オクリ
14.『ビアフラの落日』エレチ・アマディ
15.『バオバブの木と星の歌』レスリー・ビーク
16.『力の問題』ベッシー・ヘッド
17.『イカルス・ガール』ヘレン・オイェイェミ
18.『アフリカ農場物語』オリーヴ・シュライナー
19.『まして束ねし縄なれば』アレックス・ラ・グーマ
20.『二つの世界のはざまで』ミリアム・トラーディ
21.『脱獄』ティム・ジェンキン
22.『さあ、すわってお聞きなさい』エレン・クズワヨ
23.『母から母へ』シンディウェ・マゴナ
24.『デイヴィッドの物語』ゾーイ・ウィカム
25.『アフリカの民話集 しあわせのなる木』
まとめ
以上、アフリカ文学37作品を紹介してきました。
ミア・コウトなど邦訳されていない作家をのぞけば、アフリカで有名な作家の作品はほとんど網羅しています。ここで紹介した本を参考に、アフリカ文学の旅へ出てみて下さい。