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読書の秋におすすめ!文豪による「秋」がテーマの小説・詩&エッセイまとめ

2019年9月17日

読書の秋は文豪による「秋」がテーマの作品がおすすめ!

秋の読書

毎年やってくる読書の秋。

なんとなく本は読もうかなと思うけど、何を読めばよいか分からない。そんな方はいませんか?

ここでは読書の秋にちなんだ、

  • 「秋」がテーマの小説・詩・エッセイ

を紹介します。

せっかくの秋。どうせなら秋の雰囲気を感じられる作品に触れて、夜長のおともにしてみてください。

もちろん秋以外でもおすすめの作品です。

それではみていきましょう。

秋がテーマの小説

・芥川龍之介『秋』

信子はその翌年の秋、社命を帯びた夫と一しよに、久しぶりで東京の土を踏んだ。

芥川龍之介の『秋』は、ある女性の恋の話です。

主人公の心理を象徴する季節として「秋」が効果的に描かれています。

芥川らしい秋の捉え方が感じられる作品です。

・太宰治『ア、秋』

秋は、ずるい悪魔だ。

太宰治の『ア、秋』は、作家の主人公が「秋」についてメモしたノートについて語る物語です。

短編でとっても読みやすいのが魅力。

秋の到来時期についての考察が面白く、明日からすぐにでも使いたくなる考えです。

秋がテーマの詩

・中原中也「曇った秋」

十一月の風に吹かれてゐる、無花果いちじくの葉かなんかのやうだ

中原中也は秋をテーマにした詩を多く残した詩人です。

なかでもこの「曇った秋」は、中原中也の味がよく出ている作品でしょう。

この詩が気に入った人は、中原中也の雰囲気が好きなのかもしれません。

ほかの作品もとてもよいので、ぜひ読んでみてください。

・島崎藤村「初恋」

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

島崎藤村の「初恋」は有名な詩ですが、それが「秋」の詩だと知っている人は少ないかもしれません。

とても美しい詩で、心の中に置いておきたいような気持ちになります。

『若菜集』に収められている「秋」という詩も、秋を直接うたった詩です。

秋の夜長にゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。

秋がテーマのエッセイ

・萩原朔太郎「秋と漫歩」

四季を通じて、私は秋という季節が一番好きである。

萩原 朔太郎 (著)/清岡 卓行 (編集)

「秋と漫歩」は、萩原朔太郎の唯一の趣味である散歩をテーマにした、おもしろい秋のエッセイです。

彼の詩からだけでは見えてこない、詩人・萩原朔太郎の姿が見られる作品です。

『猫町』という作品も散歩の物語ですので、一緒に読むと面白いかもしれません。

・織田作之助「秋の暈」

秋という字の下に心をつけて、愁と読ませるのは、誰がそうしたのか、いみじくも考えたと思う。

織田作之助の「秋の暈(かさ)」は、太宰の『ア、秋』と同じく、秋の到来を感じる筆者の気持ちが描かれています。

ふたつを比べてみると、「秋の暈」の方が少しセンチメンタルな表現です。

しみじみとした秋を読みたい方におすすめのエッセイ。

・寺田寅彦「秋の歌」

傾く夕日の空から、淋しい風が吹き渡ると、落葉が、美しい美しい涙のようにふり注ぐ。

寺田寅彦の「秋の歌」は、チャイコフスキーの「秋の歌」という小曲について書かれたエッセイです。

この小曲はしんみりとした秋を感じさせる名曲ですので、読書が終わればぜひ聞いてみて下さい。

音楽と文学は親和性の高い芸術です。

秋のひとときに身をゆだねて、目と耳から心を愉しませてみてはいかがでしょうか。

秋のお伴におすすめの作品たち

以上、「秋」がテーマの小説・詩&エッセイまとめでした。

1時間もあれば、ここで紹介した7作品全てを読むことができるでしょう。

それぞれの本のリンクを貼りましたが、いずれも青空文庫で読める作品ですので気軽に読んでみて下さい。

ここにまとめて青空文庫へのリンクを貼っておきますので、ご自由にお使い下さい。

また、ここでは他のおすすめ小説もまとめています。

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