どうも、近代文学が好きな小助です。
この記事では、僕が考える「小説の魅力」についてお話ししていきます。
結論から言うと、小説の魅力は以下の5つ。
- 主人公の人生を体験できる
- 違う人の視点で世界を見られる
- 美しい言葉に触れられる
- 現実から眼を背けられる
- 小説にしかない読後感がある
それぞれ簡単に説明していきますね。
小説の魅力
1.主人公の人生を体験できる
一番大きい魅力だと思うのが、主人公の人生を追体験できるという点です。
僕らは普通に生きていれば、自分ひとりの人生しか知らずに死んでいきます。
身分違いの恋に悩むこともなければ、海へ巨大な魚を釣りに行き、何日も格闘することもありません。
でも、小説を読むことで、国境や時代を超えて、主人公の人生を追体験できるのです。
そこでは自分が戦場にいることだってあるし、美しい湖畔を前にして佇んでいることもあります。
自分の人生を簡単に拡張してくれる。そんなところが小説の魅力のひとつです。
2.違う人の視点で世界を見られる
僕たちは自分の視点で世界を見ています。
信条であったり、思想であったり、価値観であったりが、みんなそれぞれ違いますよね。
小説を読めば、自分とは違った価値観を持つ人物の考えに触れられることで、違う視点から世界を見ることができます。
たとえば僕は男性ですが、川上未映子さんの作品を読めば女性特有の問題意識を知ることができます。
もちろん、実用書やニュースなどでも誰かの問題意識を知ることはできるでしょう。でも、小説という形式の方が説得力があるのです。
どこが問題で、誰が、何を、どのように感じているのかが伝わりやすいんですね。
そうした点も、小説の魅力だと思います。
3.感覚が豊かになる
言わずもがなですが、感覚が豊かになるということも小説の魅力です。
言葉というのは、世の中の現象を音・文字で線引きしたもので、現象をより細かく見つめていくと、言葉もより精細になっていきます。
たとえば「雨が降る」という言葉。どのような雨なのか、どうやって降るのかを細かく見つめれば、全く違った表現になります。
小説では、色々な現象が多彩な言葉で表されているので、現象に対する捉え方が広がったり、表現できる語彙も増えます。
すると、ただの「雨が降る」という現象を見ても、色々な言葉や感情を連想することができて、結果的に感覚が豊かになるのです。
4.現実から眼を背けられる
これは小説に限ったことでなく、アニメや映画、漫画などのエンタメ全てに共通することですね。
現実から眼を背けることは、決して悪いことではありません。
非現実を楽しむことは息抜きにもなりますし、現実世界だけが人生ではありません。
とはいえ、ずっと非現実の世界に浸っているわけにもいかないですよね。
小説が魅力的なのは、非現実の世界を楽しみながらも、現実世界を生きていくうえで役に立つ術も身に付けられるところ。
現実と非現実の両方を有意義なものにしてくれます。
5.小説にしかない読後感がある
小説を読んだことがある人なら分かると思いますが、小説を読み切ったときの達成感は独特です。
特に良い小説を読んだときですね。感動とも違うんですけど、身体の底からじわ~っと全身に広がる感じ。頭のてっぺんまでシビれるんですよね。
漫画を読んだり、映画を観たりするのにはない感覚が小説の読後にはあって、それが心地良いです。
小説でしか味わえないことなので、これも小説の魅力だと思います。
小説は魅力的なエンタメ
小説は魅力的なエンタメです。
正直に言って、物語の面白さ・エキサイティングなシーン・恋愛のドキドキみたいな部分は、映画やアニメに劣るかもしれません。
でも、もっと静的な面白さ。言葉の揺らぎだとか情緒、物語の底に眠る論理などを見つける楽しさが小説にはあります。
だから、映画の方が面白いだとか、漫画の方が面白いだとか、同じ土俵にあげて比べられるものではありません。
小説には小説の魅力があるので、その魅力を純粋に楽しめれば良いと思っています。
以上、僕が考える小説の魅力の話でした。それでは!