オーディオブックで『走れメロス』を読んだ
こんにちは、読書ブロガーの小助です。
ここではオーディオブックで『走れメロス』を読んだ感想をお話ししていきます。
『走れメロス』を聞いて分かったこと
『走れメロス』を聞いて分かったことは、言葉が本当の意味で頭に入ってくるということです。
僕は『走れメロス』を10回は読んだことがありますが、オーディブルで聞くと全然違うところに面白さを見つけることができました。
たとえば『走れメロス』にはこんな場面があります。
やんぬるかな。――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
『走れメロス』太宰治
もうだめだと絶望して、大の字になってうとうとするシーンです。まあ普通に読めますよね。
でも、「やんぬるかな」ってあまり日常では使いません。
僕らは文字としての「やんぬるかな」は知っているけど、音声としての「やんぬるかな」は知らないわけです。
その「やんぬるかな」を音声で聞いたとき、はじめて言葉が実体をもって浮かび上がってくるというか、実感とともに頭に入ってきたんですね。
文字の意味と音
文字は意味と音があって初めて正体が現れます。
近代小説では普段使わない言葉が多く出てきますが、本をたくさん読んでいる人は実際にその言葉を聞くことなく「見慣れて」いるわけです。
そうした言葉の「音」をきちんと聞くことで、意味が初めて捉えられるという点で、僕はオーディオサービスの良さを感じました。
オーディオサービスの比較
実は、「kikubon(きく本)」という無料オーディオサービスでも『走れメロス』を聞くことができます。
有料サービスと無料サービスでどれほどの違いがあるのか。
聞き比べた結果は以下の通りになりました。
オーディオブック | kikubon | |
料金 | 聴き放題750円/月 | 無料/月 |
ナレーター | 男性 |
女性 |
音質 | ||
倍速 | 可 | 不可 |
「オーディオブック」は有料である分、音質や機能性はハイレベルでしたね。
一方の「kikubon」はやはり音質や機能性で劣りますが、ナレーターの方は無料とは思えないレベルです。
とはいえ音質が悪いので聞きづらいところや、ノイズが気にはなりました。
主人公とナレーターの性別は合わせてほしい
「kikubon」で気になったのが、主人公メロスの性別と、ナレーターの性別が合っていないことです。
メロスのセリフを聞くときに、女性の高い声だとどうしても物語に没入しにくい。
「朗読」なので性別が違うのも面白さのひとつなのかもしれませんが、個人的には違和感がありました。
両方使えば良い
有料サービスと無料サービスでは質が違って当然です。問題は、その質の違いに750円を払う価値はあるかということ。
個人的には「純文学だけを聞くのなら少し高いかな」というのが本音です。
kikubonは無料ですし、有名な純文学なら20作品くらいはあります。
オーディオサービスが始めての方は、まずはkikubonで聞いてみて、よりよい質を求めたいと思ったらオーディオブックを聞いてみると良いでしょう。
ただし「オーディブル」と比べると破格
でも、僕は「オーディオブック」で読み放題を利用しています。
Amazonの「オーディブル」は、月額1500円で一冊無料のコインが付いてくるという料金体系。
一方の「オーディオブック」はその半額でたくさんの本が聴き放題です。
僕は「オーディブル」も利用していますが、どちらかひとつだけを選ぶなら「オーディオブック」一択だと思います。
追記:2021年、Amazonのオーディブルが本気を出してきました。
- 夏目漱石
- 中島敦
- 宮沢賢治
などの作品集が1コインで購入可能になりました。
このまま作家が増えていくと、オーディブルの方が良いサービスになるかもしれません。
時間を節約して本を聞こう!
あと言い忘れていましたが、「オーディオブック」は本を倍速で聞くこともできます。
読み返したい小説とか、速く読みたいビジネス書とかだと嬉しい機能です。
僕は時間を有効に使いたいので、スキマ時間に聞き流して使っています。
小説もビジネス書もたくさんあるので、読書好きにはたまらないサービスですよ。それでは!