読書をすると、いいことが沢山あるとよく言われますよね。
でも、よく言われる読書のメリットって本当なのでしょうか?
この記事では、年間300冊ほど本を読む僕が、ちまたに溢れる読書のメリットを実際に検証していきます。
読書のメリット
読書のメリットとして、よく言われるのは以下のようなものです。
読書のメリット
- 集中力・発想力・想像力が上がる
- ライティングスキルが磨かれる
- 論理的な思考が身につく
- 知識が増える
- 語彙力が向上する
- コミュニケーション能力が上がる
- やる気が出る
- ストレスが解消される
- 認知症・うつ病に効果がある
- 視野が広がる
- メタ認知能力が高まる
- 失敗を防げる
まとめると、これらは三つのメリットに分けられます。
- 技術的な能力の向上(集中力・論理思考・ライティングなど)
- 内面的な能力の向上(視野が広がる・失敗を防げるなど)
- メンタル面への好影響(やる気が出る・ストレス解消など)
要するに、読書をすれば色々な能力が上がって、精神面的にも良いよ~ってことですね。
問題はこれらのメリットが本当なのかということです。
読書という行為に焦点を当てる
この検証は「読書」という行為に焦点を当てています。
そうではなくて、本を10冊20冊と読んでいったときに、読書のメリットは本当にはたらくのかということを見ていきます。
「○△×」の三段階評価
また、それぞれの項目は「○△×」の三段階評価をつけています。
結論をいうと、「○」が5つ、「△」が4つ、「×」が2つでした。それでは具体的にみていきましょう。
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1.集中力・想像力・発想力が上がる「△」
まずは、集中力・想像力・発想力が上がるのかという問題。
「集中力」に関しては、あまり実感がありません。おそらく変わっていないと思います。「想像力」と「発想力」は少し付いたでしょうか。
本を読むだけで集中力・想像力・発想力が上がるということはないように思います。
2.ライティングスキルが磨かれる「○」
ライティングスキルは上がると思います。
色々な人が書いた文章や文章構成に触れるので、自然と身に付く感じです。
文体を意識しよう
本を読んでいると、この人の文章は分かりやすいな、柔らかい言葉遣いだな、かっこいい文体だな、というものに出会います。
自分がどのような文体に惹かれるのか、意識してみるとライティングスキルはより向上するでしょう。
可能ならば真似をしてみるのもおすすめです。
3.論理的な思考が身につく「×」
これはちょっと微妙ですね。読書量が多いからといって、論理的な思考が身につくとは思いません。
論理を「知る」のと「使う」のは別
「論理」ってかなり難しいです。分かっているつもりでも、実は分かっていない人の方が多いでしょう。
読書をすることで色々な形の論理展開に触れることはできますが、それを使いこなすとなるとまた別の問題です。
なので、読書をするだけで論理的な思考が「身につく」とまではいかないというのが、僕の印象です。
4.知識が増える「○」
知識は増えます。本は情報のかたまりで、それを読むんですから当たり前ですね。
読書の本質は、この「知識(情報)を得る」ということです。
しかし、本当に価値があるのは本の中の情報であって、読書行為ではありません。
本は情報だと割り切ることが大事
知識(情報)を得るための読書と割り切ってみると、本を最初から最後まで読む必要がないことが分かります。
すると読書効率がどんどん良くなるので、多読&速読ができるようになります。たくさん本を読みたいという人にはおすすめです。
5.語彙力が向上する「△」
語彙力が向上するかどうかは、意識するかしないかで大きく変わると思います。
ちなみに、僕自身は5年前と比べて語彙が増えたと思いますが、日常会話で使うことはほぼありません。
聞く側として役に立つ
自分がことわざや難しい言葉を使うことはありませんが、聞く側として語彙力が役立つ機会は多いです。
特に年配の方からは、今では使われていない言葉やことわざなどがポンポン出てきます。
そんなとき、語彙力のおかげでコミュニケーションが円滑に進むと嬉しいですね。
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6.コミュニケーション能力が上がる「×」
読書をして語彙力が上がることで、結果的にコミュニケーションが上手くいったということはあると思います。
そもそも読書でコミュニケーション能力が上がるのであれば、読書好きの人は全員コミュ力抜群ということになります。でも、そんなことはないですよね。
実際僕もコミュニケーション能力が上がったとは感じません。読書とコミュニケーションの問題は怪しいと思います。
7.やる気が出る「△」
たしかに自己啓発系の本を読んだ後って、謎のやる気に満ちあふれます。(あまり長続きはしませんが。)
とはいえ小説などで「やる気が出る」と思ったことはないので、読書という行為のメリットとは言えません。
実用書などの読書に特化したメリットなので、ここは「△」とします。
8.ストレスが解消される「△」
これも「やる気が出る」と同じで、特定ジャンルだけのメリットですね。
おそらく小説などの娯楽本や、目で見て楽しい図鑑を読んで、ストレスを発散させているのだと思います。
もちろん人によるでしょう。その人にとってストレス解消になるなら最高ですよね。
9.認知症・うつ病に効果がある「?」
僕は認知症やうつ病になっていないので、こればかりは分からないです。
ただ、多くの研究データで効果のあることが認められているようです。
一般論としては「効果あり」なのかもしれません。
10.視野が広がる「○」
僕はこの「視野が広がる」というのが、読書の最大のメリットだと思います。
知識は見ていた世界を一変させる力があります。
同じように、ものごとの新たな視点を良質な本は与えてくれます。一冊一冊と本を読んでいくと、世界はどんどん広がっていきます。
11.メタ認知能力が高まる「○」
メタ認知能力が高まるのは正しいと思います。
「視野が広がる」が主観的な能力であれば、メタ認知は客観的な能力といえます。
メタ認知は必要な能力
たとえば、「ここにリンゴがある」というのは主観的な視点ですが、「ここにリンゴがあるのを見ている自分がいる」というのは客観的な視点ですね。これがメタ認知。
問題や課題を解決したり、自分を客観的にみるために必要な能力です。
12.失敗を防げる「○」
読書が失敗を防げるというのは本当です。
たとえば、野菜の育て方を知らない人が一から栽培を始めると、たくさんの問題にぶつかって、きっと多くの失敗をしますよね。
これが情報の価値です。
情報を利用しよう
多くの悩み事は、過去の誰かによってすでに悩まれています。なので、本を読むと解決方法が見つかり、長い間悩み苦しむこともありません。
このように、情報を利用すれば失敗を防げるので、これも読書のメリットだといえるでしょう。
メリットを得たければ色々な分野に手を出すべし
検証したメリットの評価をまとめると、次のようになりました。
読書のメリット
- ○=ライティングスキルが磨かれる・知識が増える・視野が広がる・メタ認知能力が高まる・失敗を防げる
- △=集中力、想像力、発想力が上がる・語彙力が向上する・やる気が出る・ストレスが解消される
- ×=論理的な思考が身につく・コミュニケーション能力が上がる
人によって違いはあると思いますが、年間300冊を読む僕の実感としてはこんな感じです。
つまり、読書の恩恵を最大限に受けたければ、ジャンルや嗜好に囚われず、どんな分野でもどんどん手を出すということが大切です。
実践しやすいのは、図書館の棚をあるくこと。自分では意識していなかった深層心理と出会い、思わぬ収穫があります。
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以上、よく言われる読書のメリットは本当なのかという検証でした!