『三体Ⅲ』をオーディブルで聞いてみた
毎月1冊、オーディブルで聞いた作品をレビューする連載記事。
今月は『三体Ⅲ』です。
『三体Ⅲ』待っていました!最高!
『三体』を読んだのは2019年。かなりの面白さに衝撃を受けました。
2020年6月に『三体Ⅱ』が出て、2021年1月に『三体Ⅲ』が刊行予定だったのですが、コロナの影響で5月まで伸び。
目の前にご褒美を置かれた犬みたいな気持ちで春が過ぎていきました。
読書ブロガーとしてのジレンマ
『三体Ⅲ』が発売されると、ほどなくしてオーディブルの『三体Ⅲ』が出たんですね。
「へぇ、オーディブル頑張ってるなぁ」
最初はそれくらいに思っていたんですが、
と気になってしまったんですね。
という自分がいる一方で、ひとりだけで楽しみたい!という葛藤もあり、結局決めかねるまま数ヶ月。
誰かのために・・・
どうせなら皆のためになることがしたい(棒読み)
ということで、楽しみにしていた『三体Ⅲ』をオーディブルで聞いてみました。
楽しめなかったら許さない!
脳内再生の声と違った
はい、もう問題勃発です。
みなさんは本を読むとき、脳内で登場人物の声を出しながら読むタイプですか?
僕はそうなんですが、シリーズものだと、すでに自分の頭の中でキャラの声が決まっているわけです。
『三体』でいうと、
- 葉文潔(イエ・ウェンジェ):重みのある落ち着いた声
- 楊冬(ヤン・ドン):知的な女性の声
- 羅輯(ルオジー):若くクリアな声
といった感じ。
でも『三体Ⅲ』を聞いてみると、男性ナレーターが、男性キャラの声も、女性キャラの声も、両方を演じ分ける形でした。
そんなアンドロメダ星雲みたいな広い心は持っていないので、楊冬が話すたびに違和感を覚えながら聞いていました。
声をさらに脳内で変換する
これ慣れるかなぁ?
最初はそう思っていたのですが、内容が面白すぎることもあってか、「第一部1」を聞き終わる頃には慣れました。
これ、ナレーターの声に慣れたというわけではありません。
ということを覚えた感じです。
たとえるなら、映画やアニメでよく、
という場面ありますよね。あんな感じです。
意外といけるかも。そして『三体Ⅲ』面白い
初めこそ違和感があったものの、慣れてくると「声」の問題は無くなりました。
それと同時に、物語自体も急激に面白くなりはじめます。
『三体』シリーズの特徴だと思うのですが、物語の土台を序盤で丁寧に固めていくんですよね。
だから最初は、
みたいな感じなんですけど、土台の全体像が見え始めると面白さがバッと広がって、もうそこからずっとノンストップ。
今作で言えば、程心(チェン・シン)と雲天明(ユン・ティエンミン)の物語が繋がり始めたところからアクセル踏みっぱなしです。
内容は控えめに言っても最高でした。
シリーズ途中のオーディブルでも問題ない
今回の疑問だった、
については、「特に問題はなく、十分に楽しめる」という結果になりました。
『三体』シリーズは単なる話題作にとどまらない面白さがあるので、現代小説のなかでは特におすすめですね。
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オーディブル『三体Ⅲ』の概要&ナレーター評価
オーディブル『三体』の概要はこんな感じです。
『三体Ⅲ』 | |
著者 | 劉慈欣 |
ナレーター | 祐仙勇 |
時間 | 17時間19分 |
付属資料 | 登場人物一覧PDF |
ナレーターの評価
『三体Ⅲ』ナレーター/祐仙勇 | |
性別 | 男性 |
演技力 | (4.5) |
聞き取りやすさ | (5) |
総合評価 | (4.7) |
演技力も大げさな感じではなく、とはいえ情緒はしっかりと感じられて、万人受けするようなナレーション。
オーディブルで「三体」と検索すると、5分間のサンプルが聞けます。声を確認したい方は聞いてみてください。
以上、『三体Ⅲ』をオーディブルで聞いてみたレビューでした。